周南公立大2025 前期日程 経済経営/情報科学 第2問

2025周南公立大文系数学

問題

第2問

関数 \(f(x) = x^{3} – 4x^{2} + 4x\) とし、\(y = f(x)\) のグラフを曲線 \(C\) とする。以下の問いに答えよ。

(1) 方程式 \(f(x) = 0\) を解け。

(2) 関数 \(f(x)\) の極値を求めよ。

(3) 曲線 \(C\) と直線 \(y = x\) で囲まれた2つの部分の面積の和を求めよ。

(4) 曲線 \(C\) と直線 \(y = a^{2}x\) で囲まれた2つの部分の面積が等しくなるような定数 \(a\) の値を求めよ。ただし、\(0 < a < 2\) とする。

2025年度 一般選抜前期日程 数学 第2問 解説

第2問は、3次関数のグラフ、極値、そして面積に関する総合問題です。計算量がありますが、3次関数の対称性などの性質を理解していると見通しが良くなる問題です。


■ 問題のポイント

  • 3次関数の因数分解: 共通因数の括り出しや、平方の形に気付くことで計算を効率化できます。
  • 面積の立式: 上下の関係(どちらの関数が上か)を確認するために、交点の座標を正確に出すことが重要です。
  • 3次関数の対称性: (4)の面積が等しくなる条件は、グラフの対称中心(変曲点)に関係しています。

(1) 方程式 \(f(x) = 0\) を解け。

【着眼点】

関数 \(f(x) = x^{3} – 4x^{2} + 4x\) のすべての項に \(x\) が含まれていることに注目します。

【解答】

\(f(x) = x(x^{2} – 4x + 4)\)
\(f(x) = x(x – 2)^{2}\)
と因数分解できる。
\(f(x) = 0\) より、
\(x(x – 2)^{2} = 0\)
したがって、
\(x = 0, 2\)
となります。


(2) 関数 \(f(x)\) の極値を求めよ。

【着眼点】

微分して増減表を作成します。

【解答】

\(f'(x) = 3x^{2} – 8x + 4\)
\(f'(x) = (3x – 2)(x – 2)\)
\(f'(x) = 0\) とすると、\(x = \frac{2}{3}, 2\) である。

増減表は以下の通りとなる。

\(x\)\(\frac{2}{3}\)\(2\)
\(f'(x)\)+00+
\(f(x)\)極大極小

\(x = \frac{2}{3}\) のとき
\(f(\frac{2}{3}) = \frac{2}{3}(\frac{2}{3} – 2)^{2} = \frac{2}{3}(-\frac{4}{3})^{2} = \frac{2}{3} \cdot \frac{16}{9} = \frac{32}{27}\)

\(x = 2\) のとき
\(f(2) = 0\)

以上より、
極大値:\(\frac{32}{27}\) (\(x = \frac{2}{3}\) のとき)
極小値:\(0\) (\(x = 2\) のとき)


(3) 曲線 \(C\) と直線 \(y = x\) で囲まれた2つの部分の面積の和を求めよ。

【着眼点】

まず曲線と直線の交点を求め、積分の区間を決定します。

【解答】

\(x^{3} – 4x^{2} + 4x = x\) を解くと、
\(x^{3} – 4x^{2} + 3x = 0\)
\(x(x – 1)(x – 3) = 0\)
より、交点の \(x\) 座標は \(x = 0, 1, 3\) である。

グラフの上下関係より、求める面積 \(S\) は以下のようになる。
\(S = \int_{0}^{1} (x^{3} – 4x^{2} + 3x) dx + \int_{1}^{3} {x – (x^{3} – 4x^{2} + 4x)} dx\)
\(S = \int_{0}^{1} (x^{3} – 4x^{2} + 3x) dx + \int_{1}^{3} (-x^{3} + 4x^{2} – 3x) dx\)

それぞれの積分を計算する。
\(\int_{0}^{1} (x^{3} – 4x^{2} + 3x) dx = [\frac{1}{4}x^{4} – \frac{4}{3}x^{3} + \frac{3}{2}x^{2}]_{0}^{1} = \frac{1}{4} – \frac{4}{3} + \frac{3}{2} = \frac{3 – 16 + 18}{12} = \frac{5}{12}\)

\(\int_{1}^{3} (-x^{3} + 4x^{2} – 3x) dx = [-\frac{1}{4}x^{4} + \frac{4}{3}x^{3} – \frac{3}{2}x^{2}]_{1}^{3}\)
\(= (-\frac{81}{4} + 36 – \frac{27}{2}) – (-\frac{1}{4} + \frac{4}{3} – \frac{3}{2})\)
\(= \frac{9}{4} – (-\frac{5}{12}) = \frac{27 + 5}{12} = \frac{32}{12} = \frac{8}{3}\)

求める面積の和は
\(S = \frac{5}{12} + \frac{32}{12} = \frac{37}{12}\)


(4) 曲線 \(C\) と直線 \(y = a^{2}x\) で囲まれた2つの部分の面積が等しくなるような定数 \(a\) の値を求めよ。ただし、\(0 < a < 2\) とする。

【着眼点】

3次関数のグラフと直線で囲まれる2つの部分の面積が等しくなるのは、直線が「3次関数の変曲点(対称の中心)」を通るときです。

【解答】

\(x^{3} – 4x^{2} + 4x = a^{2}x\)
\(x{x^{2} – 4x + (4 – a^{2})} = 0\)
\(x{(x – 2)^{2} – a^{2}} = 0\)
\(x(x – 2 + a)(x – 2 – a) = 0\)
交点の \(x\) 座標は、小さい順に \(x = 0, 2 – a, 2 + a\) となる(\(0 < a < 2\) より)。

3次関数において、2つの部分の面積が等しくなる条件は、中間の交点が他の2つの交点の中点となることである。
すなわち、
\(2 – a = \frac{0 + (2 + a)}{2}\)
が成立すればよい。

\(2 – a = 1 + \frac{a}{2}\)
\(1 = \frac{3}{2}a\)
\(a = \frac{2}{3}\)

これは \(0 < a < 2\) を満たしている。
したがって、求める値は
\(a = \frac{2}{3}\)
となります。

【別解】第2問(4) 直接計算による解法

対称性の性質(変曲点を通る条件)を利用せず、定積分の計算から直接 \(a\) の値を求める方法を解説します。

【着眼点】

2つの部分の面積を \(S_{1}, S_{2}\) とすると、\(S_{1} = S_{2}\) であるとき、端から端まで積分した値は \(0\) になるという性質を利用します。これにより、別々に面積を求めてイコールで結ぶ手間を省くことができます。

【解答】

曲線 \(C: y = x^{3} – 4x^{2} + 4x\) と直線 \(y = a^{2}x\) の交点を求める。
\(x^{3} – 4x^{2} + 4x = a^{2}x\)
\(x{x^{2} – 4x + (4 – a^{2})} = 0\)
\(x{(x – 2)^{2} – a^{2}} = 0\)
\(x(x – 2 + a)(x – 2 – a) = 0\)
\(0 < a < 2\) より、交点の \(x\) 座標は小さい順に
\(x = 0, 2 – a, 2 + a\)
となる。

\(g(x) = f(x) – a^{2}x\) とおくと、2つの部分の面積が等しくなる条件は、
\(\int_{0}^{2+a} g(x) dx = 0\)
が成立することである。

\(\int_{0}^{2+a} {x^{3} – 4x^{2} + (4 – a^{2})x} dx = 0\)
左辺を計算すると、
\([\frac{1}{4}x^{4} – \frac{4}{3}x^{3} + \frac{4 – a^{2}}{2}x^{2}]_{0}^{2+a} = 0\)
\(\frac{(2 + a)^{4}}{4} – \frac{4(2 + a)^{3}}{3} + \frac{(2 – a)(2 + a)}{2} \cdot (2 + a)^{2} = 0\)
\(\frac{(2 + a)^{4}}{4} – \frac{4(2 + a)^{3}}{3} + \frac{(2 – a)(2 + a)^{3}}{2} = 0\)

ここで、\(2 + a \neq 0\) なので、両辺を \((2 + a)^{3}\) で割ると計算が簡略化できる。
\(\frac{2 + a}{4} – \frac{4}{3} + \frac{2 – a}{2} = 0\)

全体に \(12\) を掛けて分母を払うと、
\(3(2 + a) – 16 + 6(2 – a) = 0\)
\(6 + 3a – 16 + 12 – 6a = 0\)
\(2 – 3a = 0\)
\(a = \frac{2}{3}\)

これは \(0 < a < 2\) を満たしている。
したがって、求める値は
\(a = \frac{2}{3}\)
となります。


💡 講師からのアドバイス

直接計算で解く場合、\((2+a)\) を展開してしまうと非常に膨大な計算量になり、ミスを誘発します。解答例のように、共通因数である \((2+a)^{3}\) で割る、あるいは括り出すという工夫が、制限時間内に正解に辿り着くための重要なテクニックです。


💡 講師からのまとめ

(4)のような「面積が等しくなる条件」の問題では、まともに積分計算をしてイコールで結ぶと計算が非常に大変になります。3次関数が変曲点に関して点対称であることを利用し、「3つの交点が等差数列をなす」という性質を見抜ければ、短時間で完答できる問題です。