周南公立大2025 前期日程 経済経営/情報科学 第3問

2025周南公立大文系数学

問題

第3問
あるゲームでAがBに勝つ確率は常に一定で13\;\frac{1}{3}\;とし,毎回のゲームで必ず勝負はつくものとする。A,Bがゲームを繰り返し行い,先に2連勝した方を優勝とする。このとき,n\;n\;を2以上の整数とし,n1\;n-1\;回までのゲームで優勝が決まらず,n\;n\;回目のゲームでAの優勝,Bの優勝が決まる確率をそれぞれan,bn\;a_n,b_n\;とする。k\;k\;を1以上の整数として,以下の問いに答えよ。

(1)次の確率をそれぞれ求めよ。
・Aが1回目と2回目で2連勝し,2回目のゲームでAの優勝が決まる確率a2\;a_2\;
・Bが1回目と2回目で2連勝し,2回目のゲームでBの優勝が決まる確率b2\;b_2\;

(2)次の確率をそれぞれ求めよ。
・Aが1回目に負けて2回目と3回目で連勝し,3回目のゲームでAの優勝が決まる確率a3\;a_3\;
・Bが1回目に負けて2回目と3回目で連勝し,3回目のゲームでBの優勝が決まる確率b3\;b_3\;

(3)次の確率をそれぞれ求めよ。
・4回目のゲームでAの優勝が決まる確率a4\;a_4\;
・4回目のゲームでBの優勝が決まる確率b4\;b_4\;
・5回目のゲームでAの優勝が決まる確率a5\;a_5\;
・5回目のゲームでBの優勝が決まる確率b5\;b_5\;

(4)次の確率をそれぞれk\;k\;で表せ。
・偶数(2k2k)回目のゲームでAの優勝が決まる確率a2k\;a_{2k}\;
・偶数(2k2k)回目のゲームでBの優勝が決まる確率b2k\;b_{2k}\;

(5)次の確率をそれぞれk\;k\;で表せ。
・奇数(2k+12k+1)回目のゲームでAの優勝が決まる確率a2k+1\;a_{2k+1}\;
・奇数(2k+12k+1)回目のゲームでBの優勝が決まる確率b2k+1\;b_{2k+1}\;

(6)奇数(2k+12k+1)回目のゲームまでにAの優勝が決まる確率
a2+a3++a2k+a2k+1\;a_2+a_3+\cdots+a_{2k}+a_{2k+1}\;k\;k\;で表せ。

2025年度 一般選抜前期日程 数学 第3問 解説

第3問は、反復試行の確率と数列の和を組み合わせた問題です。Aが勝つ確率を \(p = \frac{1}{3}\)、Bが勝つ確率を \(q = \frac{2}{3}\) として、具体的なケースから一般項を導き出す思考力が問われます。


■ 問題のポイント

  • 優勝が決まる条件: (n) 回目でAが優勝するには、「(n-1) 回目もAが勝ち」、かつ「(n-2) 回目までは2連勝が発生していない」必要があります。
  • 試合のパターン: 2連勝が発生しないためには、勝敗が「A→B→A→B…」のように交互に続くしかありません。

(1) \(a_{2}, b_{2}\) の計算

2回目で優勝が決まるのは、1回目と2回目で同じ人が連勝する場合です。

  • \(a_{2}\) (AA): \(\frac{1}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{9}\)
  • \(b_{2}\) (BB): \(\frac{2}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{4}{9}\)

(2) \(a_{3}, b_{3}\) の計算

3回目で優勝が決まるには、2回目と3回目で連勝し、かつ1回目はその人と異なる人が勝っている必要があります。

  • \(a_{3}\) (BAA): \(\frac{2}{3} \times \frac{1}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{2}{27}\)
  • \(b_{3}\) (ABB): \(\frac{1}{3} \times \frac{2}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{4}{27}\)

(3) \(a_{4}, b_{4}, a_{5}, b_{5}\) の計算

4回目以降も、最後が連勝(AA または BB)で、その直前までは交互に勝敗が続いている状態を考えます。

  • \(a_{4}\) (ABAA): \(\frac{1}{3} \times \frac{2}{3} \times (\frac{1}{3})^{2} = \frac{2}{81}\)
  • \(b_{4}\) (BABB): \(\frac{2}{3} \times \frac{1}{3} \times (\frac{2}{3})^{2} = \frac{8}{81}\)
  • \(a_{5}\) (BABAA): \(\frac{2}{3} \times \frac{1}{3} \times \frac{2}{3} \times (\frac{1}{3})^{2} = \frac{4}{243}\)
  • \(b_{5}\) (ABABB): \(\frac{1}{3} \times \frac{2}{3} \times \frac{1}{3} \times (\frac{2}{3})^{2} = \frac{4}{243}\)

(4) 偶数回目 \(a_{2k}, b_{2k}\) の一般項

偶数回 \(n=2k\) でAが優勝するパターンは、\((AB)^{k-1}AA\) です。
\(a_{2k} = (\frac{1}{3} \times \frac{2}{3})^{k-1} \times (\frac{1}{3})^{2} = \frac{1}{9} (\frac{2}{9})^{k-1}\)

同様にBが優勝するパターンは、\((BA)^{k-1}BB\) です。
\(b_{2k} = (\frac{2}{3} \times \frac{1}{3})^{k-1} \times (\frac{2}{3})^{2} = \frac{4}{9} (\frac{2}{9})^{k-1}\)


(5) 奇数回目 \(a_{2k+1}, b_{2k+1}\) の一般項

奇数回 \(n=2k+1\) でAが優勝するパターンは、\(B(AB)^{k-1}AA\) です。
\(a_{2k+1} = \frac{2}{3} \times (\frac{2}{9})^{k-1} \times \frac{1}{9} = \frac{2}{27} (\frac{2}{9})^{k-1}\)

同様にBが優勝するパターンは、\(A(BA)^{k-1}BB\) です。
\(b_{2k+1} = \frac{1}{3} \times (\frac{2}{9})^{k-1} \times \frac{4}{9} = \frac{4}{27} (\frac{2}{9})^{k-1}\)


(6) 累計確率の計算

求める確率は、偶数回目の和と奇数回目の和を合わせたものです。
\(S = \sum_{i=1}^{k} a_{2i} + \sum_{i=1}^{k} a_{2i+1}\)

それぞれの等比数列の和を計算します(公比はともに \(\frac{2}{9}\) です)。
\(\sum_{i=1}^{k} a_{2i} = \frac{1}{9} \cdot \frac{1 – (\frac{2}{9})^{k}}{1 – \frac{2}{9}} = \frac{1}{9} \cdot \frac{9}{7}\{1 – (\frac{2}{9})^{k}\} = \frac{1}{7}\{1 – (\frac{2}{9})^{k}\}\)
\(\sum_{i=1}^{k} a_{2i+1} = \frac{2}{27} \cdot \frac{1 – (\frac{2}{9})^{k}}{1 – \frac{2}{9}} = \frac{2}{27} \cdot \frac{9}{7} \{1 – (\frac{2}{9})^{k}\} = \frac{2}{21}\{1 – (\frac{2}{9})^{k}\}\)

これらを足し合わせると、
\(S = (\frac{3}{21} + \frac{2}{21}) \{1 – (\frac{2}{9})^{k}\} = \frac{5}{21} \{1 – (\frac{2}{9})^{k}\}\)

したがって、求める確率は
\(\frac{5}{21} \{1 – (\frac{2}{9})^{k}\}\)
となります。


💡 講師からのアドバイス

この問題の核心は、確率の問題を数列の問題へと還元する「モデリング能力」です。初見では複雑に見えますが、具体的な数値を書き出して「あ、ABがセットで繰り返されているな」と気づければ、等比数列の公式に当てはめるだけになります。