第3問 問題
1個のさいころを続けて \(n\) 回投げるとき、\(k\) 回目 \((1 \leqq k \leqq n)\) に出る目の数を \(X_{k}\) とする。
(1) \(n = 2\) とする。
(i) \(X_{1} = X_{2}\) となる確率は \(\frac{{}^{41}\Box}{{}^{42}\Box}\) である。
(ii) \(X_{1} \geqq X_{2}\) となる確率は \(\frac{{}^{43}\Box}{{}^{44}\Box{}^{45}\Box}\) である。
(2) \(n = 3\) とする。
(i) \(X_{1}, X_{2}, X_{3}\) のうちちょうど1つが偶数となる確率は \(\frac{{}^{46}\Box}{{}^{47}\Box}\) である。
(ii) \(X_{1} < \frac{X_{3}}{X_{2}}\) となる確率は \(\frac{{}^{48}\Box}{{}^{49}\Box}\) である。
(iii) \(X_{1} \geqq X_{2}\) または \(X_{1} > X_{3}\) となる確率は \(\frac{{}^{50}\Box{}^{51}\Box}{{}^{52}\Box{}^{53}\Box{}^{54}\Box}\) である。
(iv) \(X_{1}^{2} – 2X_{2}X_{3} \leqq 0\) となる確率は \(\frac{{}^{55}\Box}{{}^{56}\Box}\) である。
(3) \(n = 4\) とする。このとき、\(X_{1} \geqq X_{2} \geqq X_{3} \geqq X_{4}\) となる確率は \(\frac{{}^{57}\Box}{{}^{58}\Box{}^{59}\Box}\) である。
第3問 解説
第3問は、さいころの目を題材とした確率の典型的な問題です。基本となる「数え上げ」から、補事象の利用、そして重複組合せの考え方まで、確率の重要エッセンスが凝縮されています。
■ 問題のポイント
- (2)(ii)(iv)の数え上げ: 一方の変数を固定して、条件を満たす組み合わせを漏れなく数えます。
- (2)(iii)補事象の活用: 「または」の条件は、その否定である「かつ」を考えることで計算を簡略化できます。
- (3)重複組合せの利用: 大小関係が等号を含む順序で固定されている場合、組合せの公式に帰着させます。
(1) n = 2 のとき
(i) \(X_{1} = X_{2}\) となる確率
さいころを2回投げる全事象は \(6 \times 6 = 36\) 通りです。
\(X_{1} = X_{2}\) となるのは \((1, 1), (2, 2), (3, 3), (4, 4), (5, 5), (6, 6)\) の 6通り です。
確率は \(\frac{6}{36} = \frac{1}{6}\) となります。
(空欄:41=1, 42=6)
(ii) \(X_{1} \geqq X_{2}\) となる確率
\(X_{1} = X_{2}\) の場合が6通り。
\(X_{1} \neq X_{2}\) となる30通りのうち、対称性から \(X_{1} > X_{2}\) となるのはその半分の15通りです。
よって、\(X_{1} \geqq X_{2}\) となるのは \(6 + 15 = 21\) 通り。
確率は \(\frac{21}{36} = \frac{7}{12}\) です。
(空欄:43=7, 44=1, 45=2)
(2) n = 3 のとき(全事象 216通り)
(i) ちょうど1つが偶数となる確率
1回ごとに偶数が出る確率は \(\frac{1}{2}\)、奇数が出る確率も \(\frac{1}{2}\) です。
「偶・奇・奇」「奇・偶・奇」「奇・奇・偶」の3つの並び方があるため、
確率は \(3 \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{3}{8}\) となります。
(空欄:46=3, 47=8)
(ii) \(X_{1} < \frac{X_{3}}{X_{2}}\) となる確率
不等式を \(X_{1}X_{2} < X_{3}\) と変形し、\(X_{3}\) を固定して数え上げます。
- \(X_{3} = 6 \implies X_{1}X_{2} \leqq 5\):(1,1)~(1,5), (2,1), (2,2), (3,1), (4,1), (5,1) の 10通り
- \(X_{3} = 5 \implies X_{1}X_{2} \leqq 4\):(1,1)~(1,4), (2,1), (2,2), (3,1), (4,1) の 8通り
- \(X_{3} = 4 \implies X_{1}X_{2} \leqq 3\):(1,1)~(1,3), (2,1), (3,1) の 5通り
- \(X_{3} = 3 \implies X_{1}X_{2} \leqq 2\):(1,1), (1,2), (2,1) の 3通り
- \(X_{3} = 2 \implies X_{1}X_{2} \leqq 1\):(1,1) の 1通り
合計 \(10+8+5+3+1 = 27\) 通り。
確率は \(\frac{27}{216} = \frac{1}{8}\) です。
(空欄:48=1, 49=8)
(iii) \(X_{1} \geqq X_{2}\) または \(X_{1} > X_{3}\) となる確率
補事象である「\(X_{1} < X_{2}\) かつ \(X_{1} \leqq X_{3}\)」を考えます。\(X_{1} = k\) として数えます。
- \(k = 1\):\(X_{2} \in {2..6}\) (5個) かつ \(X_{3} \in {1..6}\) (6個) \(\rightarrow 30\) 通り
- \(k = 2\):\(X_{2} \in {3..6}\) (4個) かつ \(X_{3} \in {2..6}\) (5個) \(\rightarrow 20\) 通り
- \(k = 3\):\(X_{2} \in {4..6}\) (3個) かつ \(X_{3} \in {3..6}\) (4個) \(\rightarrow 12\) 通り
- \(k = 4\):\(X_{2} \in {5..6}\) (2個) かつ \(X_{3} \in {4..6}\) (3個) \(\rightarrow 6\) 通り
- \(k = 5\):\(X_{2} \in {6}\) (1個) かつ \(X_{3} \in {5..6}\) (2個) \(\rightarrow 2\) 通り
補事象の合計は \(30+20+12+6+2 = 70\) 通り。
求める確率は \(1 – \frac{70}{216} = \frac{146}{216} = \frac{73}{108}\) です。
(空欄:50=7, 51=3, 52=1, 53=0, 54=8)
(iv) \(X_{1}^{2} – 2X_{2}X_{3} \leqq 0\) となる確率
\(X_{1}^{2} \leqq 2X_{2}X_{3}\) を満たす組み合わせを \(X_{1}\) ごとに数えます。
- \(X_{1}=1, 2\) のとき:ほぼすべての組み合わせが該当(36 + 35 = 71通り)
- \(X_{1}=3, 4, 5, 6\) の場合も同様に数えると、該当する組み合わせの合計は 144通り となります。
確率は \(\frac{144}{216} = \frac{2}{3}\) です。
(空欄:55=2, 56=3)
(3) n = 4 のとき
\(X_{1} \geqq X_{2} \geqq X_{3} \geqq X_{4}\) となる確率
これは、1から6の数字から「重複を許して4つ選び、大きい順に並べる」方法の数に等しいです。
重複組合せの公式 \(_nH_r = _{n+r-1}C_{r}\) を用いると、
\(_{6}H_{4} = {}_{6+4-1}C_{4} = {}_{9}C_{4} = \frac{9 \times 8 \times 7 \times 6}{4 \times 3 \times 2 \times 1} = 126\) 通り。
全事象は \(6^{4} = 1296\) 通り。
確率は \(\frac{126}{1296} = \frac{7}{72}\) となります。
(空欄:57=7, 58=7, 59=2)
💡 講師からのまとめ
確率の問題では、(2)(iii)のように条件が「または」で結ばれているときは、まず補事象を疑う癖をつけましょう。また、(3)のような等号を含む大小関係は、重複組合せを知っているかどうかで計算時間が大きく変わります。
